「期間限定割引」が有利誤認に——エステ3社への措置命令に学ぶ、クーポン表示の注意点

公開 2026-07-25|更新 2026-07-25

「今だけ」「期間限定」「本日まで」——サロンやクリニックのキャンペーン表示で定番の言い回しです。ただ、実際にはその期間が過ぎても同じ割引を続けていると、景品表示法で問題になりうることが、2026年3月の措置命令であらためて示されました。エステサロン運営3社に対する事例を、公表資料をもとに整理します。

有利誤認表示とは:価格や取引条件について、実際よりも著しく有利だと消費者に誤解させる不当表示のこと(景表法第5条第2号)。「今だけ安い」と思わせて実は通常価格、といったケースが典型です。

何が起きたか(公表資料ベース)

消費者庁は2026年3月25日、エステティックサロンを運営する事業者3社に対し、施術サービスに係る表示について景品表示法に違反する行為(第5条第2号=有利誤認に該当)が認められたとして、同法第7条第1項に基づく措置命令を行いました(公表は2026年3月26日)。

一次情報は消費者庁の公表ページで確認できます。

報道によると、対象となったのは、エステティック ミス・パリを運営する株式会社シェイプアップハウス・株式会社ミス・パリ・ジェイピーエヌ、およびスリムビューティハウスを運営する株式会社スリムビューティハウスとされています。

どの表現が問題とされたか

公表資料や報道によると、問題とされたのは、予約サイト(クーポンページ)における割引の「期間限定性」の見せ方です。

各社は、クーポンページで「割引クーポンの有効期間内に利用した場合に限り割引の対象になる」といった趣旨の表示をしていました。ところが実際には、その期間が過ぎても継続的に同じ割引が適用されていた、とされています。つまり、本当は常時受けられる割引を、あたかも「その期間だけの特別な条件」であるかのように見せていた点が、有利誤認と判断されました。

ポイントは、割引そのものの是非ではなく、「期間限定である」という前提が実態と食い違っていたことにあります。「今だけ」という表示が消費者の「早く申し込まないと」という判断を後押しする一方で、実態が伴っていなければ、その表示が問題視されうる、という構図です。

同じ轍を踏まないためのチェック観点

一般的な注意点として、サロン・クリニックのキャンペーン表示で見落としやすいのは次のあたりです。

「期間限定」「今だけ」「通常価格」といった表現が実態と合っているかは、原稿の文面だけでは判断しきれない部分もありますが、まず気になる表現を洗い出すところから始められます。公開前のキャンペーン文面を貼って、引っかかりやすい表現をまとめて確認したいときは、イイカエのような原稿チェックの道具を下書き段階で使うのも一つの手です(価格の実態や割引履歴そのものを判定するものではありません)。

まとめ

この事例が示すのは、「期間限定」という言葉は、実態がそうであって初めて使える表現だ、ということです。集客のためのキャンペーン表示ほど、表示と運用(実際の割引実施)がずれていないかを定期的に見直しておくと、思わぬ指摘を避けやすくなります。

---

本記事は公表資料をもとにした一般的な情報の整理であり、個別の広告の適否を判断・保証するものではありません。実際の表示が問題となるかどうかは事案ごとに異なります。個別の判断は、弁護士等の専門家や所轄の行政庁(消費者庁・都道府県)にご確認ください。

この記事は公表資料をもとにした一般的な情報の整理です。個別の広告表現が法令に適合するかどうかの判断ではありません。 最終的な適否は、専門家や所轄の窓口にご確認ください。

公開前の原稿、まとめて確認しませんか

イイカエは、薬機法・医療広告ガイドライン・景表法で問題になりやすい表現を洗い出し、言い換えの候補を出す道具です。いま先行リリースの案内を受け付けています。

先行リリースの案内を受け取る